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泉美木蘭
2019.7.12 12:48日々の出来事

被害女性を貶めるセカンドレイプ

婚活アプリに潜んでいた大手銀行員の男が、
出会った女性の飲み物に睡眠薬を混ぜて意識朦朧とさせ、
部屋に連れ込んでレイプしたとして逮捕されたそうだ。

睡眠薬飲ませ性的暴行か 三菱UFJ社員逮捕

今年二月に医者と研修医の男2人が、処方箋がなければ
手に入らない睡眠薬を使って、飲み会に誘った知人女性を
レイプした事件も震撼したけれど、
睡眠薬はじめ「レイプ・ドラッグ」を使うという手口は、
なにも薬物に近い「特殊な人々」だけの事件ではないらしい。

ある女性は、会社の男性上司や同僚らとの飲み会に出向いた
ところ、1軒目で意識を失い、気が付くとラブホテルで全裸に
されており、2人の上司に弄ばれていたという。

警察に被害届を出し、当初、この上司2人は犯罪行為を認めて
女性に謝罪していた。
しかし、会社側が用意した弁護士がつくと一転、
女性が事件直後に血液検査を行っていなかったことを逆手に取り、
「女性のほうが誘った」「性的倒錯者」
などとセカンドレイプの創作話を提出。
また、会社からは、社員全員に「女性は仕事にもだらしない人間」
といった意見書を書かせて裁判所に提出したという。
まったくおぞましい話だ。

女性は4年後、民事裁判の結果、勝利したが、現実には深刻な
PTSDに苦しみ、仕事も辞めなければならなくなった。
意識がなかったこと、血液検査の結果がないことに高を括り、
徹底的に被害女性を貶め、人生を潰してやればいいという人間は
許せない。
裁判に訴え出た時点で、その女性は奇異の目で見られたり、
あれこれ憶測されたり、社会的に相当な負を背負うことになる。
それを利用して行われるのがセカンドレイプだ。

世の中のレイプ裁判、真っ当な判決が下されてほしい。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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